私は、４０歳代半ばから１０年以上テニスを続け、NTRP 全米テニス協会評価プログラム ガイドライン 日本語簡約の自己申告で３.５〜４.０のレベルになっていますが、ここ十数年のラケットのまとめをしようと思います。
まとめの対象ラケットとストリングは、これまでメインに使ってきたヘッドと３年以上使い続けてきたポリエステルストリングはソリンコツアーバイトになります。
今年７月からヘッドブーンプロを使っており、ソリンコツアーバイトをテンション５４ポンドで張っています。
ブログにアップしているとおり、これまで購入したラケットは５０本を超え、手首や肘等の故障も経験してきましたが、これまで私が買ってきたラケットのまとめは次の通りです。
⑴２０２１年以前のヘッドのラケットでは、ツアーバイト（ポリエステル）を５０ポンド以上で張ると、不快な振動が出ることがあったが、ブーンプロのラケットデザインの改良によるものだろう、５４ポンドでも不快な振動は全く出なくなっている。
⑵ツアーバイトのピーク性能は、市中のガット張り替えに出しているが、週２回程度の練習なら３ヵ月以上続き、ポリエステルでも気持ち良く打てる。
⑶手首や肘が痛くなるのは、総重量３３０ｇ以上の重いラケットを総重量２９０ｇ程度の軽いラケットと同じ扱いで無理矢理振り続けたのが原因と思われた。
⑷重いラケットで手首や肘が痛くなったときのリハビリは、軽いラケットを使って正しいスイングを行うことで解消できた。正しいスイングを身につけるには、軽いラケットを使わないと難しい。重いラケットでは遠心力がかかり過ぎ、ヘッドの切り返しが遅れて故障の原因になる。軽いラケットを使い、テイクバックでロックインポジションから遠心力を意識したスイングで自然にヘッドの切り替えができるようになると健常時のスイングが甦る。現在は、重いラケットに持ち替えても手首や肘が痛くなくなり、ラケットの重さによるメリットを体感できている。
⑸２０２２年以降のヘッドのラケット（ブーンプロ）は、正しいスイングと正しい打撃に導くことができるラケットデザインで設計されている。ヘッドのラケットしかコメントできないが、最新のラケットを使うことで、怪我のリスクが少なくなる。
⑹テニス成就のための日々の進歩に必要なのは反復練習。オンコート練習に加えて、手作り室内練習器具を使用する練習や柔軟体操を毎日欠かさず行うことで、長時間の練習や試合で疲れ難いスイングが身についてきた。
⑺ワールドワイドに販売網のある名前の知られるメーカーは資本力と製品開発力を持ち、多品種の製品を高い品質で大量生産するノウハウがある。これらのメーカーの製品（ラケット、ストリング、ストリングマシン、ボール等）は、幅広い年齢、体力、能力に適応する既製品を精力的に開発・販売している。毎年上市されるラケットは、超初級者から上級者までを網羅しており、身体に合う最適なラケットは、これらのメーカーの新製品の中から必ず見つけることができるようになってきている。
⑻昔のラケットやたった数本のラケットから自分に合ったラケットを見つけるのは不可能。ましてや既製品のラケットをチューンナップと称して個人やテニスショップが弄ってしまえば、メーカーが過去から改良してきたラケットデザインで発現するはずのラケット性能が高い確率でスポイルされるだろう。ラケットの不具合は、最新モデルになる度、少しずつアップデートされているので、最新のラケットをあるがままに使うのが吉。ストリングに関しては、総花的な選択ではなく、世界的に多くの人が使う手に入りやすい息の長いブランドから選択した方がラケットの切り替えがスムーズになる。ストリングの張り替えは、プレー時間が多ければ自分でやるのが基本ではあるが、週２回程度のプレーなら、整備された業務用ストリングマシンのあるテニスショップに頼む方が経済的である。今の時代、電子制御された機械を使うなら職人技と同程度以上のストリンギングは可能である。
⑼繰り返しになるが、ラケットのバランスを変えたり、ストリングの張り方を工夫しても、既製品ラケットを弄ってしまえば、メーカーの意図した性能を発揮できない。プロは、ご承知のとおり必要以上に品質を揃えた優れた市販されていないオーダーメイドのチューンナップラケットを使っている。しかし、試合に勝たなければ、道具の性能を疑ってかかるし、勝ち続ければラケットなんかに関心を持たない。プロのラケット破壊を目にする度に、テニスにおけるラケットとストリングは、単なるコモディティ（かつては高い付加価値があったが、市場が活性化した結果、商品の市場価値が下がり一般的な商品となったもの）であると確信する。ラケットは、最低限の知識と技能がある人が張れば、最低限の機能を発揮できる日常品である。現在のテニスに求められているのは、プレーヤーの身体能力のアップであり、汎用品であるラケットに芸術性を持ち込む商売をするなら、それは詐欺を疑わせる。
