昨年は13本ラケットを購入しましたが、今年も12本目まで購入してしまいました。毎日練習するプロ選手やアマチュア選手でもこれだけ毎年ラケットは購入しないでしょうから、買い物依存とかの病気かも知れません(笑)。
それでも、婚活や結婚生活のように、既製品ラケットの中から自分に合うラケットを探し出したいことや、そんなラケットで上手くなりたいという気持ちがあり、大量にテニスラケットを購入してきました。
この2年間、テニス愛好家の多くが慣例的にしていないことをしてみたり、していることをやらなかった結果、わかったことがあったので、総括しておこうと思います。
2年間に購入したラケットの詳細については、あとがきに書いています。
◉ラケットの違いはどこから生じるか?
使ったことがある大手のメーカーがラケットやカタログに必ず表示するスペックは、フレーム重量、バランス、長さ、ラケットヘッドの面積、グリップサイズ、ストリングテンションの適正範囲、でしょうか。
プリンスはこれらに加えて、パワーレベルとスイングウエイトを表示しています。
バボラのラケットは、3種類あるフラグシップモデルを全て使ってきましたが、必ず表示するスペックが同じでも、フレームデザインやストリングホールの設定が異なるので感じが違います。
バボラ等の大手ラケットメーカーは、ワールドワイドでマーケット展開しているため、外観やラケットに印字されたスペックは、国内正規品と海外モデルの並行輸入品とは全く同じです。
しかし、使用感は、どちらかと言うと国内正規品の方が使いやすいので、販売している国別にスイングウエイトを調整(非公表)しているのがわかります。
国内では正規品しか流通していないプリンスツアー100は、同じ名称で、16×18ストリングパターンの標準フレームと16×19ストリングパターンのO3ポートの2種類のスペックを、310gと290gのフレーム重量で、それぞれ販売しています。
購入したツアー100(290g)では、標準フレームとO3ポートのどちらにもスイングウエイト285kg・cm 2と印字されています。
ストリングパターンが異なれば、違うスイングの感じになると思いますが、標準フレーム4本とO3ポート2本と比べると、スイングしたときの風切り音は全く違いますが、スイングの感じは、ラケット6本の違いがわかりません。
スイングしたときに感じるラケットの違いは、ラケットの重さよりもスイングウエイトの影響の方が大きいからだと思います。スイングウエイトの数値が同じラケットを選択できれば、スイングの感じが極端に違わないかもしれません。
最近は、スイングウエイトを調整してくれるお店もありますが、残念ながら、プリンス以外の大手メーカーのラケットは、スイングウエイトを公表していません。
メーカー独自のスイングウエイト基準がわからないのに、ラケットの状態によっては測定値にバラつきのあるテニスショップの測定機器で調整するのは、賢明な判断とは言えないです。
お店の言いなりに調整されてしまうと、製造メーカーが宣伝して販売する既製品を既製品として使うことができません。当然、メーカー保証は適用されません。
既製品にお金をかけて調整しながら使い続けるなら、最初からオーダーメイドのラケットに拘るべきであり、既製品の安易なスイングウエイト調整からは、自分のテニス未来の「あるべき姿」が見えてきません。
なので、同じラケットを複数本購入する時には、メーカーのプロダクトに対する姿勢を信じることにしています。
同じラケットを使う時、ラケットフレームの重量が揃っていることで、精神衛生上、気持ちが楽になるので、フレーム重量を善意て揃えてくれる良心的なお店があればラッキーと考え、揃ってなくても、結果は受け入れましょう(合掌)。
ただし、ラケット1本しか買わないなら、何の問題もありません。使いやすい好きなラケットを安いお店で買いましょう。
◉ラケットの特性
ラケットの性能は、パワー、スピン、コントロール、操作性といった項目で評価していると思います。しかし、これらの項目同士やラケット重量との間には、トレードオフの関係や正の相関関係があります。その影響は、使い手の能力に応じて現れます。例えば、自分や対戦相手のレベルが上がってくると、軽い重量のラケットでは、重い重量のラケットよりもプレーヤー能力の底上げが難しくなると思います。
黄金スペックという、ラケットヘッドの面積100cm 2、フレーム重量300gのラケットを示す造語は、一世を風靡した時期があり、良く知られています。
既に、どのメーカーもフレーム重量かアラウンド300gのラケットを自社のプロダクトラインに入れてしまったので、新鮮味がないですが、300gという数字は、ラケットが実戦で基本性能を発揮できる分水嶺だと思います。
誰でもラケットの重い軽いはわかると思いますが、元々の地力があったり、運動能力が高く、身体の使い方が上手い人達を除いて、フレーム重量300g超のラケットを上手く振る(ボールに毎回正確に当てる)のは難しいような気がします。
年齢的に体力のピークや身体の柔軟性のピークはとうの昔に終わっている自分にとっては、この重さ以上のラケットが振れるようになることが、テニスの第一関門でした。
昨年、やっと振ることができるようになったので、フレーム重量300g超のラケットを使ってきました。しかし、いつまでも体力が続く訳もなく、パフォーマンス的にはフレーム重量290gのツアー100に負けているため、来シーズンは、軽いラケットにすることにしました。
身体に負荷をかけない練習として、実際のボールを使わない手作り室内練習器具を使っています。長時間の反復練習が必要なテニスにおいて、少しでも進歩しながらテニス寿命を延長するにはこの方法が一番のような気がしています。
◉ラケットはどこで買っても同じか?
スポーツ用品量販店には充分な在庫がないため、希望するラケットの在庫のない場合は、ラケット問屋からの連絡を待って、数日、ラケットの到着を待つことになります。量販店では大抵のラケットには値引きがなかったりとか、1本なら良いですが、2本注文した時にラケットやストリングの在庫がなかったりとか、張り替え待ちとか面倒臭いです。当日入手できるとしても、恐らく、待たされる上に、重さが揃っていないとかしたら、高いお金を払っているのに、大変ガッカリするでしょう。
時間もタダではありません。当日に商品が手に入らず、再度、お店に届いた商品を取りに行く手間とかを考えれば、注文して入手までの時間は、ネット注文とほとんど変わらないような気がします。
店頭品には展示品もあるので、誰が触ったのかわかりません。不景気になり、量販店でも利益のないメーカーの在庫は置かなかったりします。
コロナ禍の昨今、ラケット購入やストリング交換は余裕を持った日程で臨み、ラケット問屋に影響力があり、安くてサービスの良いネットの仮想商店から買うことが、これからのデフォルトになりそうな気もします。
◉ネット評価の高いストリングを選ぶべきか?
ネットのストリングの評価は、1本しかないラケットに評価するストリングを低テンションで張って、試打した感想で評価する方法をよく目にします。
愛好家(稀に宣伝を兼ねてプロもあります。)によるネット仮想店舗への投稿も、大半のインプレは、ほとんどこの評価方法を採用していると思われます。
そんな評価方法にもかかわらず、クチコミを信じて使ってみて、同じような感想を持つ人も多いのが不思議です。
メーカーの宣伝には、裏付けがあると思ってますが、問題なのは、張っているテンションがラケットの適正範囲以下である場合がほとんどであることです。メーカー推しで、売れ筋のストリングかも知れませんが、科学的な観点から、必要条件の揃わない使用法を評価したものを性能と言うんでしょうかね?
私が現在使っているツアー100(290g)6本には、同じストリングの組み合わせ3種類を2本ずつに、適正テンション範囲内で全部同じテンションで張っています。
内訳は、ハイブリッド2種類とフルポリエステルストリングですが、感覚的にクロスストリングのゲージは、17Gのポリエステルストリング、メインストリングは、ハイブリッドでは16Gのマルチのナイロンストリング、フルポリエステルでは17Gにしています。
外気温度が低いのもありますが、完全に振り切ることのできるプリンスツアー100だと、3種類のストリングの打感や飛びに大きな違いを感じません。
2回目以降の張り替えでは、特定の太さのナイロンストリングとポリエステルストリングをハイブリッドの同条件で、同じお店で張り替えるようにしています。
その結果、同じラケットなら、ストリング銘柄指定しなくても、大まかなストリングの種類(ナイロン、ポリエステル、ナチュラルガット)、ゲージ(ストリングの太さ)、ハイブリッドのメインとクロスの組み合わせ、テンション、といった条件を揃えて張れば同じ感じになることがわかったので、ストリングは、ルールを決めて、コストと自分の好きなメーカーを選べば、大体同じ感触になると思います。
◉ストリングのノッチング
最近まで、ボールを擦り上げるスイングをしていたせいもあり、クロスにナイロンストリングを張ると、メインはナイロンストリングでもポリエステルストリングでもノッチングが生じました。
ノッチングを防ぐために、①クロスにポリエステルストリングをラケットの適正テンション範囲内で張る、②手作り室内練習器具を使い、レベルスイングでボールをダイレクトに当てる練習、③打撃の度に、ラケットをクルッと180度握り直すこと等の対策をしており、ノッチングはこのところ発生していません。
◉グリップの状態は?
いつも同じグリップの感覚のために、オーバーグリップテープは、全てのラケットに同じものを巻く必要があります。それでも、1本のラケットだけを長時間使うと、オーバーグリップテープはすぐに摩耗してしまいます。
摩耗したグリップは、握った感じが変わるので、私の場合、少しでも手汗が滲んだら、ラケットチェンジしています。2本以上のラケットを交換しながら使うと、1本のラケットだけ使い続けるよりも、握って気持ち良い状態が長持ちします。
◉ストリングのテンションとラケット性能
適正テンション範囲未満までテンションを落として使ってもラケットの性能は出ないです。
しかし、適正テンション範囲にしても、ラケットのスイートスポットに当てるスイングができなければ、同様にラケットの性能は出ないです。
◉アラカンのための練習方法
手作り室内練習器具を使うと、身体に負担の少ないので、長時間行うことができます。また、ボールの高さは一定なので、レベルスイングの反復練習ができます。
次のような動きを加えて練習すると、オンコートでのパフォーマンスが変ります。
⑴ラケットを打撃の度に、180度握り直し、裏表均等に使う。習慣化させれば、実際にボールを打ったときにもノッチングが出来難く、ストリングを長持ちさせることができます。
⑵ラケットでボールを擦り上げないスイングをする。擦り上げの防止には、手首、肘、肩関節といったスイングした時に動きやすい関節をなるべく自由に動かないように体幹を使い、肩の入れ替えでスイングをして、コンタクトで押す(力を加える)意識を持つことです。
あとがき
【1】今年下半期のラケット購入
今月注文したツアー100(290g)O3が届きました。
53ポンド張り上げ1日後のテンション
2018プリンスツアー100(290g)は、総額12万円、半ダースの大人買いです(笑)。
上記の画像のラケットに①から⑥の番号をつけています。番号のラケットのスペック(総重量、ストリング、テンション)は次のとおりです。グリップサイズはG3、総重量は、ボウブランドのオーバーグリップテープ込みです。2本ずつ購入しましたが、①、②はラケットフレーム重量を揃えてもらえなかったので、重さが異なります。
①311g、メインはプリンスTOPSPIN XX16GとクロスはプリンスTOUR XX SPIN17Gのハイブリッド、53ポンド
②314g、①と同じ
③、④312g、プリンスTOUR XX SPIN17G、53ポンド
⑤、⑥313g、メインはソリンコバンキッシュ16Gとクロスはソリンコツアーバイト17Gのハイブリッド、53ポンド
標準フレームのソリッドビームとO3ポートとのスペックの違いは次の2点だけです。
◉ストリングパターン
標準フレームは16×18、O3ポートは16×19
◉パワーレベル
標準フレームは855、O3ポートは875
上記以外は、標準フレームとO3ポートとは次の通り同じスペックです。
◉ヘッドサイズ 100inch2
◉ラケット長 27inch
◉フレーム厚 22-23-20mm
◉フレーム重量 290g
◉バランス 325 ㎜
◉スイングウエイト 285kg・cm 2
◉ラケット剛性 65(海外モデル数値)
◉適正テンション範囲 43-48-53lbs
【2】今年上半期のラケット購入
今年の上半期には、バボラピュアストライク16×19も半ダース、2本ずつフレームを重量を揃えて購入しました。
グリップサイズはG3、内訳は、並行輸入品の新モデル2本、国内正規品と並行輸入品の旧モデル2本ずつです。
カタログに掲載されているスペックは同じですが、非公表になっているスイングウエイトとラケット剛性は、3組とも全く異なると思います。
【3】昨年のラケット購入
昨年は、メーカーをバボラに絞って、1〜2本ずつ購入しました。グリップサイズは、全てG2です。ソリンコのストリング(ハイパーG、バンキッシュとツアーバイトのハイブリッド)を色々試しました。
①2019ピュアアエロチーム3本
②2019ピュアアエロ2本
③2019ピュアドライブ2本
③2017ピュアストライク16×192本
④2017ピュアストライク18×202本
⑤2019ピュアストライク16×192本