ヘッドのラケットにはCPIという分類指標があります。CPI600のヘッドグラビティSを昨年7月に購入し、それ以降、CPI400からCPI900までのCPIが違うラケットを購入してきました。
今月、CPI500のスピードMPを購入しました。最高に良いラケットに出会えました。CPIを参考にしてラケットをステップアップしてきましたが、最後に最高のラケットに出会えたので、購入したヘッドラケットの総括をしようと思います。
ヘッドのCPIについてはこちらのブログに詳しく解説しています。
HEADラケットの新指標『CPI』とは?一覧・選び方・比較 | テニスやろうよ!
はじめに
CPIで分類されているラケットを使う前まで、ラケットの選択基準・交換基準は、ラケットの重さと同一シリーズでした。
CPIのあるヘッドラケットシリーズを使うまでは、最初にフレームが軽くて無理なくスイングできるラケットから使い始めました。上手く当てることができたら、同じシリーズの少し重いラケットにステップアップしました。
ところが、ステップアップで選択したラケットはいつも合わず、再び別のシリーズの軽いフレームのラケットから使い始めてしまう悪循環を何年も繰り返してきました。
最近のヘッドのラケットには、CPI表示があったで、この半年間は、CPIの違うヘッドの2020モデルを購入していました。
CPIで分類されたラケットを使い比べてわかったのは、重いラケットにも使えるラケットがあることや反対に軽いラケットにも難しいラケットがあることでした。CPIの基準で6ペアのラケットを購入しましたが、そのメリットはありました。CPIのわかっている6種類のラケットをランダムに使うことでラケットコントロールスキルが上がったことでした。
話は変わりますが、知り合いを見てると、ほとんどの人が常時使うラケットは1本で、平素全く使わないラケットを予備で持って行く人ばかりです。
私のように同じラケットを複数使う人にお目にかかったことがありませんが、メリットは、練習中に頻繁にラケットを持ち替えることで、自分が同じスイングをしているか確認できることです。
同じシリーズのラケットでも、フレームの重さを揃えて買わないと、違うラケットを2本持っているのと変わりません。また、購入時期が違って、使用しているのと未使用の重さを合わせても、ラケットの使用頻度でグリップの感覚が違い、別のラケットになってしまいます。同時にリプレイスメントグリップを替える方法もありますが、新品のリプレイスメントグリップを剥ぐことになり、不経済ですし、重さも変わります。
重さの違うラケットを後から、錘を使い、スイングウエイトを揃えて同じラケットだと主張するショップもあります。ラケットは、丸めたカーボンシート型に入れ、プレス機で熱と圧力をかける不可逆的な製造工程です。プレス機から出た時点でラケットデザインの性能は決まっています。後から錘で調整すれば性能が変わるので、調整する前提なら、モデルチェンジで高性能化するフレームを使う意味はないです。
異なるフレーム同士の重さ、バランス、スイングウエイトを全て揃えるには、フレームやグリップに重さを加えて調整しますが、張り替えたストリングで変化するスペックをわざわざ揃える意味は何でしょうか。昔のフレーム製造工程(カーボンシートを単純に巻いただけ)のラケットなら影響は少ないでしょうが、素人作業で最新の工業製品フレームを弄れば品質は悪くなるのは明らかです。
ラケットは、値段の高いカーボンシートを加工して製造するので、大量生産してコストを下げます。製造工程で、規格外品の発生を減らして、完成品の歩留まりを上げることで、更にコスト削減できます。歩留まりを上げることで、ヨネックスは人件費の高い日本製でもワールドワイドに生産拠点を持つ他の大手メーカーと同じ価格帯で販売しています。
工業製品なら、精度の高い製品と考えますが、規格値外でも使用に問題がない範囲なら完成品と判断して、歩留まりを上げることが合理的です。カタログ規格に幅のある完成品(合格品)が市場に出る理由はこのためです。
メーカーで個々のラケットの重さを表示すれば良いと思いますが、メーカー視点で普通に考えると、商品のバラツキを公表するのはマイナス宣伝になります。プリンスのラケットは、スペックの測定幅をラケットやカタログに表示していますが、正直ベースのラケット販売が不人気の原因になっているかもしれません。プリンスラケットのスペック表示しているように、ラケットは幅のある完成品(合格品)です。
工業製品の観点からは、製造された完成品(合格品)ラケットは、重さが異なっても機能は変わらない同じラケットです。しかし、使う側の観点からは、重さの違うラケットは、異なるラケットになります。同じシリーズのラケットを複数買うとき、重さを合わせて買わないと、違うラケットを買うことになります。
複数のラケットを買う場合、有料であっても、フレームの重さを測ってくれるお店で揃えてもらいましょう。重さがわからないただ安いだけのラケットなら買わない方が良いです。
工業製品の出来上がりに幅があるのを未完成と言う人もいますが、幅のある完成品(合格品)です。性能を担保するために制御された工程で製造された工業製品は、微妙なスペックは変わります。なので、重さを揃えるだけで十分だと考えます。一般人の持つセンサーは、違う重さには敏感なので、重ささえ揃っていれば他のスペックは気にならなくなります。せっかくの完成品(合格品)を素人作業で無理やりスペックを変えるのは改悪になります。
当たり前の話ですが、重さが同じでも違うシリーズや違うメーカーは、性能が違うラケットです。ラケットの違いを認識せずに練習や試合で同時に使うのは、デメリットしかありません。自分を誤魔化すメリットはありそうですが。
購入した12本のラケットは、2本ずつ重さを揃えているので、12本の異なるラケットではなく、重さやバランスの違う6種類のペアラケットと考えます。これらのラケットをあえて同時に使うことで、適応力を高くするメリットがあると思っています。
毎日の手作り室内練習器具の練習では、12本のラケットを満遍なく使っていることもありますが、週一のオンコート練習では、単一機種しか使いません。ペアラケットなので、2本のラケットの使用感の違いを感じたことはありません。
ヘッドラケットシリーズのCPI
ちなみに、CPI300以下のラケットは、ProとかTour の名称のついた競技者用の機種です。これらのフレームは、重量とスイングウエイトが大きく、アラカンの週一テニス(うち公式戦参加が最大年6回)にはオーバースペックなので、使うのが夢のラケットです(笑)。
使っている6機種のラケットのストリングとアクセサリー
ストリングは全て、ソリンコツアーバイトです。テンションは、ラケット指定範囲の中間値で張っています。また、ストリングの太さは、1.25mmですが、スピードMPは在庫切で1.20mmです。この1.20mmは、テンション維持や打感が案外良かったので、次回張り替えからは、1.20mmにしていく予定です。ただ、12本のラケットは張り直したグラビティMP以外、最初のストリングのままです。複数のラケットを使うことで、ストリング寿命は半年以上維持します。
オーバーグリップテープは、ヘッドのプライムプロです。1巻400円近くしますが、今の時期は最高に良いオーバーグリップテープです。
振動止めは、全く使っていませんが、ヘッドのグラフィン360+のフレームには全く必要のないアクセサリーです。ただ、グラビティMPでストリングの共鳴があったので本当はフレーム交換してもらいたかったですが、購入したお店で確認してもらったら、フレームは正常とのこと。無料で再度張り替えしてもらいましたが、同じようにストリングが共鳴しました。無料だったので、張り方が悪いとも言えないし、多分、張り替えずにこのまま部屋での練習用ラケットになると思います。
ラケットインプレ
2021年7月購入
ヘッドラケット累計2本目 CPI600 グラビティS
このラケットで、ダブルス初のタイトルをとりました。今は、全く重く感じないし、使い勝手は良いですが、昨年は、ラケットを重く感じて、ミスしたので、使う機会が減りましたが、色々なラケットを使っていくうち使えるラケットに変化しました。比較の問題ですが、今はグラビティMPの方が使い易く感じます。
2021年8月購入
ヘッドラケット累計4本目 CPI700 グラビティライト(実際は累計6本ですが、2本はノーカウントにしました。)
購入したばかりのグラビティSを重く感じたので、追加で買いました。同時にカラーリングだけが違う安くなった2019モデルも買いましたが、こちらは、同じ重さの在庫がなく、2本のラケットの重さをが5gも違い、全く違うラケットだったこともあり、使っていません。
いつも海外正規品を買いますが、国内正規販売の2020モデルだったので、重さだけの情報だけで買いました。オンコートでは、CPI700の割にパワーがありませんが、フルショットしても当たりが良く、ミスが少ないので好きです。ボレーは難しいラケットですが、軽くて振りやすいので、部屋練習でのウォーミングアップに使います。
2021年10月購入
ヘッドラケット累計6本目 CPI800 エクストリームS
グラビティライトのパワー不足を解消するために買いました。使ってみたら、確かにボールスピードが出ます。公式戦の最終戦で使いました。ボレーが楽に飛ぶのに驚きました。おかげで2回目のオンコート使用なのに予選通過しました。スクール練習では、バウンド後にイレギュラーしたのもありますが、グランドストロークのラリーでコーチが空振りしたのは忘れられない思い出です。違うスペックのラケットで練習して自分のスイングスピードが上がってきたら、ゆっくり振らないとパワーの制御とコントロールが難しくなりました。トップヘビーなのでサーブはなんとなく上手くいきませんが、グランドストロークは普通に振って強いボールが打てるので、ベレッティーニ選手の気持ちが少しわかります(笑)。
2021年11月購入
ヘッドラケット累計8本目 CPI900 インスティンクトライト
大きいヘッドサイズとロングフレームを使ってみたくて買いました。初めてオンコートで使ったとき、CPI900のパワーに感動しました。しばらくすると、強く振ると飛び過ぎて、弱く振ると短くなりチャンスボールになるので、ロブの調整が難しいです。これもスイングスピードが上がると難しくなるラケットでしたが、サーブのコツはこのラケットで習得しました。ヘッド面積が広く、サーブでボールが潰れる感じがわかりました。
2022年1月購入
ヘッドラケット累計10本目 CPI400 グラビティMP
ストリングの共鳴がなければ、ベストラケットでしたが、そのおかげで、スピードMPを買う機会になり、人生万事塞翁が馬ですね。フレーム295gの重さのおかげで、軽いラケットにはなかったラケットのタメを感じます。ブログにも書いていますが、このラケットで重いラケットの打ち方のコツがわかりました。ストリングが共鳴してもちゃんと飛ぶ良いラケットです。CPI400の基準通り、パワーは不足しており、もう少しボールのパワーが欲しいかな。
テニスウエアハウスのテスター評価に賛同します。
2022年2月購入
ヘッドラケット累計12本目 CPI500 スピードMP
何も言うことのない素晴らしいラケットです。このラケットもテニスウエアハウスのテスター評価通りです。
テニスウエアハウスのテスター評価は、バボラピュアストライク98の第三世代が大体同じでした。2年前に使ったときは全く使えませんでした。もちろん、今年買ったスピードMPのような使用感ではありませんでした。2年経って、少しは自分も進歩したと思います。それは、ヘッドのラケットやCPIの基準のおかげです。同一シリーズや他シリーズに全く連続性がなく、腕が痛くなるバホラのラケットに戻ることはないです(笑)。