Regnirt-sorpの日記

a recreational tennis player's bible

ボールコンタクトで肘関節をロック

映画「ボヘミアン・ラプソディー」を観てきました。素晴らしいメロディの創造とバランスを取るようなフレディ・マーキュリーの破壊的な生き方に、何となく自分の人生と共感するものがあり、目頭が熱くなりました。一緒に観ていた妻から涙の理由を尋ねられましたが、「なんか良かったから」とうやむやに答えました。

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さて、本題です。ボールコンタクトでのフェデラー選手の肘の使い方が気になっていましたが、手作り室内練習器具で1年練習してわかったことがあったので書いておきます。

 

フェデラー選手のフォアハンド

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動画

Instagram post by @regnirt_sorp • Nov 17, 2018 at 1:18pm UTC

 

ズべレフ選手のフォアハンド

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動画

Instagram post by @regnirt_sorp • Nov 20, 2018 at 8:30am UTC

 

フェデラー選手もズべレフ選手もボールコンタクトで肘の関節が伸びています。この部分だけを真似してやってみても、ボールが飛ばないうえに、肘が痛くなって、この打ち方でのフォアハンドのチャレンジを諦めた人は少なくないと思います。

肘の関節が伸びているようなこの打ち方をして、肘の腱が更に伸びるようなら、腕ひしぎ逆十字をかけられたのと同じで、肘の関節の腱を痛めるか腱断裂すると思います。テニスエルボーの原因のひとつはこれだと思います。

 

腕ひしぎ逆十字

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画像を回すと、フォアハンドの姿勢になります。これが肘の関節をロックしないフリーの状態です。

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フェデラー選手やズべレフ選手が肘を痛めていないのは、腕ひしぎ逆十字状態になっていないからでしょう。私が思うに、彼らは肘の関節をロックして、ボールコンタクトの衝撃が肘の関節の腱の伸縮に影響が及ぼさないようにしているからです。肘の関節をロックしないスイングは、毎回のボールコンタクトの衝撃で肘の関節の腱が伸び、腕ひしぎ逆十字をかけられている状態になります。

以前から書いているマルかいてポンの腕の使い方をすれば、肘の関節が簡単にロックされた状態になります。肘の関節をロックした状態でコンタクトすれば、腕は肘のジョイントのない棒になり、肘が伸びた状態でもボールが良く飛ぶようになります。

 

マルかいてポンの動作

Instagram post by @regnirt_sorp • Nov 7, 2018 at 6:18pm UTC

 

猿腕というのを聞いたことがあると思いますが、肘の関節の可動域は個人差が大きいです。しかし、マルかいてポンの動作により、どんな可動域の肘でも関節にロックがかかります。これで、ボールに押されても肘の関節の腱が伸びなくなります。

この練習の際、最初からテニスボールを使って打つと、肘の関節のロックが上手くかからないと、コンタクトで肘を痛めると思います。そこで手作り室内練習器具の出番です。プラスチックボールを使っているので、オフセンターショットをしても衝撃がありません。1000回以上練習すれば、肘の関節をロックして、ボールをラケットのスイートスポットに当てる感触がわかります。

この練習をしてからテニスボールを打てば、肘関節のロック導入初期の肘の怪我の心配はなくなります。肘の関節をロックして、ラケットのスイートスポットでボールコンタクトする感触が実際のテニスボールでわかれば(振動止めを使わなくてもラケットの衝撃が無くなります。)、フォアハンドのみならず、ボレーやサービスが改善されます。また、同じ要領で練習すれば、片手でも両手でも、バックバンドは劇的に改善します。ボールに力がない人、トップスピンがどうしても打てない人、スイングで疲れやすい人は、この感じがわかるようになれば、やっとテニスの入口に立ったと言えます。

これまでに色々なラケットやプロストリンガーのガット張りも使いました。その結果わかったことは、上手くボールを打つには、身体の使い方が8割であり、残りの2割がラケットやストリングの選択でした。ラケットやストリングの張り方にこだわる人は少なくないですが、こだわって使っても、正しい身体の使い方ほど劇的にテニスは変化しません。練習の方法や身体の使い方を変えれば、ストリングが張ってありさえすれば、どんなラケットでも上手く打てるようになります。

どんなラケットでも使えると書きましたが、あくまで、人から借りたり、試打用ラケットではなく、自分が購入して実際に使ったラケットです。一番使いやすかったのは、今メインで使っている2018バボラピュアドライブチームで、これは最新モデルのオールマイティのラケットです。ストリングは、持っているラケット全てに試してみた極細の飛ぶポリエステルストリング(ソリンコレボリューション1.15mm)です。テンションは、同じストリングを張り替えの度に上げてきましたが、今は、メイン(縦)をテンション56ポンドで張り、クロス(横)をメイン(縦)よりも弱く(お店にお任せ)張っています。このセッティングが、テニス人生で最も調子が良いです。

ラケットやストリングの選択は、個人の好き嫌いもありますが、正しく身体が使えるようになったら、持って重いと感じないラケットに、スピンが良くかかり飛ぶストリングを選択して、適正範囲の上限で張ると、ミスが減って、勝率も上がると思います。張り替え時期は、テンション測定アプリで周波数換算値が、ラケットの適正範囲を下回って、マッチ練習で嫌な負け方をしたときです。

 

あとがき

グリップは、フェデラー選手のように、コンチネンタルグリップからイースタングリップで握ると、手首もロックしやすくなります。肘の関節と手首のロックにより、ボールをラケットに当てるだけで、良く飛び、スピンもかかるようになります。

 

あとがき その2

3週間ぶりにいつもの練習相手と練習をしました。いつものように、長めのウォーミングアップをしてから、いつものとおり3セットマッチをコールしてマッチ練習を開始しました。コートは2時間の貸切ですが、ウォーミングアップが長いので、いつも時間切れになり、これまで貸切時間内に2セット連取して勝敗が決まったことがありませんでしたが、今回初めて決着(試合時間は1時間20分)しました。結果は、6-4、6-2でした。

肘の関節をロックしてボールコンタクトは、グランドストロークとサービスで特に意識しました。グランドストロークのラリー、サービスともに、ボールが良く飛び、コントロールは相当良くなりました。

フォアハンドもサービスも、ラケットにジャストミートした感覚(硬いとか柔らかいとかが全く無い感触でボールコンタクトして、ラケットが振り抜ける感じ)で打ち出されたボールに威力があり、相手が返球できないか、返球できてもボールが短くなりました。

フォアハンドは、目一杯叩かなくてもボールにパワーがあり、いつもよりコントロールが良く、相手を左右に振り回すことができました。ショットでほとんど疲れなかったので、終始優位に攻撃できました。

サービスは、ボールコンタクトで肘の関節がロックされると、ボールの威力とコントロールが増し、リターンできないサービスエースが5回、マグレのセンターノータッチエースが1回ありました。

 

あとがき その3

サービスは、フォアハンドやバックハンドのように手作り室内練習器具を使った練習ができないので、打撃回数を急激に増やし、短時間での改善はできませんが、家で練習して打撃回数を増やせば、週に一度の練習よりは、早く改善できるので、練習方法を書いておきます。

 

基本姿勢は正座

天井まで3m以上ないウサギ小屋に住んでいるので、基本姿勢は正座で、部屋の壁に向かってサービスします。正座の姿勢でトスを上げると、天井という目標物があります。天井スレスレに1000回以上トス練習すれば、必然的にトスの精度は上がり、ほとんどブレなくなるので、トスがブレる人は練習不足と断言できます。トスは自分の身体より前に上げるのがポイントです。

 

ボールの選択

使うボールですが、普通のイエローボールだと部屋の壁が壊れます。今はオレンジボールを使っていますが、最初はレッドボールを使いました。結果論になりますが、少し大きいレッドボールから使い始めると、トスやラケットに当てる感覚をつかみやすい利点がありました。

 

サービスの肘の関節のロック

フォアハンドと違い、ラケットを持って、野球のピッチング動作のマルかいてポンは、サービスモーションなので、トスアップしたボールを肘の関節がロックされたポンで、フラットでコンタクトできるように練習します。

 

フラットからの応用

まずはフラットに当てることができるのが前提です。肘の関節をロックしてコンタクトすれば、優しくラケットを振っても、ボールのアウトプットに威力があるので、それがこの練習のゴールです。レッドボールを使うメリットは、プロ選手のサービスのコンタクトのイメージが体感できることです(感じ方に個人差はあります(笑))。フラットが気持ち良く打てたら、以下のブログを参考にして、応用してください。

キックサーブプログレッション - Regnirt-sorpの日記

 

あとがき その4

練習後のストリングテンション(3週間前に56ポンドで前張り替え)です。テンションは徐々に下がっていますが、銘柄不明のストリングを張られ、張り替えのテンションを教えてくれないお店だと、自分のラケットの状態を知ることはできません。

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あとがき その5

手汗をかいても、ウエットのオーバーグリップテープが良くて、今シーズンはボウブランドを使いました。暑くても寒くても、画像の右ラケットのように手汗で色が濃くなります。性能は変わりませんが、手汗で増したウエット感が結構気になるので、ラケットを変えて、気持ちがグリップにいかないよう誤魔化しながら使っています(笑)。

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エピローグ
ガット張りが下手なのは問題外ですが、アマチュア以上のレベルでなければ、どんなガットに張り替えるかは、テニスの最優先順位ではありませんので、初・中級なら背伸びせずに、レベルに合ったストリングを適正範囲で張っていれば、悩むところではありません。ガット張り替えも含むテニス用品は、テニスメンタルを攻撃してこない、品位のあるテニスショップで買うことをお勧めします。

ちなみに、USRSAという団体は、ガット張り替えのテクニシャンに、CS(認定ストリンガー)、MRT(マスターラケットテクニシャンには、トーナメントストリンガースペシャリスト又はラケットカスタマイズスペシャリストがある。)、PRA(プロのラケットアドバイザー)等の格付けの認定証を付与する団体で、格付けの名称は立派です。ただし、一般的に格付けというのは「みんなができることを、他の人よりうまくできるかどうか」を競わせることなので、認定証がないと上手くストリングを張り替えることができない訳ではないです。自分のラケットを自分で張り替えて、プロになった人がいることを考えれば、USRSAの格付けはガット張り替えの絶対条件かと問われれば、あれば便利という程度にしかならないと思います。

日本人ガット張り国際認定資格者 - Regnirt-sorpの日記