Regnirt-sorpの日記

a recreational tennis player's bible

3本目買いました!

あるプロストリンガーが、約10年前に発売されたアンティークラケット(バボラのラケットではありません)と同じように、現在取り扱っている新品ラケット(バボラではありません)も、複数で使うならチューンナップが前提であり、スイングバランスとか調整して、それに合わせたストリング等のラケットチューンもしないといけない、前近代的で面倒くさいラケット(バボラのラケットではありません)を自信満々で説明している記事を読みました。

このアンティークラケットを発売したのと同じ頃に発売を開始したApple社のiPhoneの年間の全世界の出荷台数が年間約100万台でした。しかし、現在、10年前とは比べものにならない程、高機能、高品質になったiPhoneの出荷台数は、当時の1000倍以上に達し、ここ数年のモデルチェンジでは、発売当初の出荷台数を世界各国同時に発売できる製造供給体制が確立されています。

世界的規模で販売している資金力のある大手ラケット製造メーカーがこの原料のサプライチェーンを含めたプロセスを参考にしていない訳はなく、世界各国のトッププロ選手の多くが使っているウイルソン、バボラ、ヨネックスといった大手メーカーは、最近は、昔と比べても完成度が高い新型モデルのラケットや関連製品を全世界にタイムラグなく出荷しています。それができるのは、プレースタイル別のシリーズの製品精度が上がり、調整(チェーンナップ)の必要のない、既製品でもラケット完成度が高くなっているからだと考えます。

トッププロ選手には、メーカーがオーダーメイド用フレームで製造するラケット(ストリング指定で、ストリングを張った状態での重さ、バランス、スイングウエイト、ヘッドサイズ、縦横のストリング本数、グリップサイズがプレーヤーの指定)が提供され、市販のラケットと全く違うラケットだと思った方が良いです。ただ、どんな選手もプロデビューする前は、既製品のラケットを使っているので、同じメーカーを使っていれば、それほど特殊なラケットは使っていないと思いますが、プロでなくても、長くテニスをするためには、名の知れた大手メーカーを使うメリットはあります。

製品のバラツキの検証を兼ねて、このブログで紹介したバボラピュアアエロチームの3本目を買ってみることにしました。いつもは2本買いしますが、3本目を購入するのは初心者の時以来です。3本あれば目移りせずにこのラケットを使うことができるので、今シーズンは、他のラケットは装飾コレクションとして物置行きになります。ご苦労様、これまでありがとう。

3本目購入でも、最初の2本と同じように、フレーム重量やスイングウエイトを指定したりとか、お店を煩わせる注文はしていません。とりあえず、同じお店で、同じストリング(ソリンコハイパーG1.05mm)を同じテンション(54ポンド)で張ってもらい、同じオーバーグリップテープ(ボウブランド)を自分で巻いて、3本を同じに仕立てました。

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ピュアアエロチームには、フレーム重量のカタログデータが285g±7gとラケットに表示されています。ストリングを張ってもらった3本のラケットにオーバーグリップテープを巻くと、総重量は、最初の2本は297gと300g、3本目は298gで、3本の平均は298gで±2g以内になります。

並行輸入B品なので、見た目のアラ探しをすれば、超微小の塗装不良は見つかります。しかし、ラケットの自体の精度には問題なく、この誤差だと、手に持ったり、振ったり、実際にボールを打ったりした感覚は同じです。スイングウエイトやバランスポイントを測定して、3本がそれぞれ違ったとしても、出荷検査用計測器で測定しながらシリコン等で調整して大体同じラケットに仕上がっていると思えば、バボラの最新ラケットは、スイングウエイトだけの測定数字に拘る必要はないのかもしれません。

バボラのピュアアエロのシリーズのストリングを張ったフレーム重量は、ツアー335g、プラス320g、ノーマル318g、チーム301g、ライト286gとなっており、チームはシリーズで2番目に軽いラケットになっていますが、体力に合わせて選択できます(テニスウエアハウスカタログデータBabolat Tennis Racquets)。

ピュアアエロチームは、フレームだけの重量が285gで、他メーカー(ヘッド、スリクソン、テクニファイバー、フォルクル、ヨネックス)でも、同じフレームの重さのラケットを発売しています。ほとんどのストリングメーカーが発売している標準的なストリングは1.30mmの太さなので、標準的なストリングを張った時のストリングの重さを加えて、ラケットの総重量は、約300g、バランスポイントが約330〜340mmになるように作られています(オーバーグリップテープは、3〜5gありますが、含みません)。

それでも、バボラとヘッドだけは、標準のストリングを張ったときのバランスポイントが330mm未満なので気に入っています。細いゲージのストリング(1.05mm)を選べば、ストリングを含めた総重量が軽くなり、カタログのバランスポイント値よりもトップライトで振りやすくなります。

話は戻りますが、大手ラケットメーカーの製造技術や出荷時の品質検査方法が進歩しているのに、購入してから、いちいち調整が必要なリコール対象ラケットをあえて作らないと思います。あるプロストリンガーさんが推奨販売しているメーカーのラケット(バボラのラケットではないです(笑))は、たとえ新品であっても、複数で購入する場合、たくさんの在庫商品があっても、同じスイングウエイトを選ぶのが難しいそうです。だから、細かな調整をしないとダメだと言っています。それは、販売しているラケットの製品としてのメーカーでの出荷検査基準が緩く、商品のバラツキが大き過ぎるからです。でも、このメーカーの新品ラケットをチューンナップ前提のラケットとして販売するのは、宣伝としての耳触りはいいです。製品のバラツキが大きい原因は、メーカーがコストのかかる製造設備の投資を諦めて、当初からの製造ラインをそのまま使い続けているからです。旧来の製造ラインで製造された新型モデルは、新しいカラーリングで見た目を装っても、公表カタログデータと個体差が大きかったり、振動が生じたりする品質不良ラケットの発生率も当時のまま出荷されている確率は高いです。それでも、廉価販売でシェアを伸ばす販売方針でしょうから、自社の甘い検品で出荷されているはずです。

このプロストリンガーさんが自分のラケットサービスの腕を宣伝したい気持ちもわからなくないですが、メーカー側の都合で製品に瑕疵があり、品質にバラツキがあるリコール対象ラケットをチューンナップが必要なラケットと称して、弄り回して、新品として売りつけるのはどう考えても詐欺的商法です。同じように調整したラケットの重さを測ってみればわかりますが、錘追加や詰物除去で調整しているので、カタログ値と10g以上の差がある場合もあるので、メーカーの商品コンセプトとは全く違うラケットになっています。

日本人ガット張り国際認定資格者 - Regnirt-sorpの日記

 

まあ、プロ選手に供給されているラケットのように、チューンナップというのはそう言うものですが、このメーカーのラケットは、同じシリーズという前提自体が成立していない可能性があります。こんなメーカーの専門販売をしているなら、正直に改造中古ラケット専門店と屋号に明記して営業いただきたいと思います。

私が購入した3本の2019バボラピュアアエロチームは、並行輸入B品でありながら、指定なしでもほぼ同じ重さで、使い勝手の違いは感じません。たまたまなのかもしれませんので、バボラの3つのシリーズの最新モデルのラケットを同時に複数本購入する機会があったら、確認してみてください(笑)。

そのことより、私の場合、何で週1回しかテニスしないのに3本もラケットが必要なのかと、仲間から尋ねられます。この質問には、ラケットを使い過ぎないので、常にストリングやラケットのグリップが気持ち良い状態で使えるから、と答えています。