では、ベンツやポルシェはどうでしょうか。前者は本格的な高級志向、後者は本格的なドライブ志向ですが、オイル交換でディーラーに持っていくと、国産車とは価格が一桁違うという話をよく聞きます。
本物の道具なら、本物の使い手を選ぶのではないでしょうか。
高級車を乗り回すと、最初は自分が偉くなったような気がすると思いますが、持っているお金の量や使い方、着ている服の値段やセンス、人格が車と釣り合ってますか。
これからテニスの話。プロのストリンガーさんにガットを張って上手くなった気がしているあなた、気のせいですよ。
それよりコートでの身なりはどうですか、コーディネートしていますか。そして、そのガット張りに相応しいプロと同じようなスイングですか。
それよりも、庶民的に通販や近所の少し上手にガットを張れるお店で張ってもらうほうがこれまでと同じで気が楽ですよ。
プロのストリンガーさんのガット張りを買ったあなた、強制的に書かされた商品レビューで嘘をつき続ける裸の王様ですよ。
本当の意味でそれが使えるのはプロ選手だけというのが、ピント外れの商品レビューから伝わります。折角のガット張りを以前と同じボールしか打てないとは絶対書けませんよね。わかります。
プロのストリンガーさんしか張れないオリジナルのガット張りはあるでしょうが、技術の伴わない一般人が使っても宝の持ち腐れ、オーバースペックです。死ぬまでに一度使う機会があれば十分でしょう。
テニスを本気で考えるラケットメーカーなら、あなたのレベルで使える道具を必ず開発すると考えます。なぜなら利益の種だからです。
ウィルソンさんのスチームＳは、ルキシロン４Ｇを緩まないように張ってもらえれば、質は落ちますが必要最低限のスペックは確保したプロのストリンガーさんのガット張りをコモディティ化した仕上がりとなっています。スピンに特化した開発デザインは、プロ選手の真似ができればスピンが打てるように作られています。
上手になるのに大切なのは、テニスを愛し、プロのお手本の通りの道具や身体の使い方をすることです。プロの道具が先ではありません。
あなたが本当のお金持ちになればベンツ、プロ選手になればプロのストリンガーさんのガット張りが必要になることもあるでしょう。
